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コラム

2024年度税制改正大綱決定!不動産売買を後押しする「税制優遇」継続

政府与党は2023年12月14日、2024年度税制改正大綱を決定しました。税制改正は毎年行われるもので、不動産売買に関する税制も少なからず改正されます。

今回の税制改正では、不動産を売買する人を後押しする税制優遇の延長や拡大が決まりました。

24年度税制改正は子育て世帯への手厚い支援が目立つ

注目されていた住宅ローン減税は、19歳未満の子を有する子育て世帯および夫婦のいずれかの年齢が40歳未満の若者夫婦世帯に限り、2024年の借入限度額は23年のものが据え置かれます。

省エネ基準適合住宅を例にすると、一般世帯の13年間の最大控除額は273万円ですが、子育て世帯および若者夫婦世帯は364万円。子育て世帯・若者世帯は、一般世帯と比べて90万円以上多く控除される可能性があるということです。借入限度額の据え置きは、2025年いっぱいまで継続する見込みです。

子育て対応リフォームによる控除措置が新設

こちらも子育て世帯および若者夫婦世帯に限り、リフォームにかかる所得税の特例措置が拡大します。これまで控除の対象となっていたリフォームは次の通りですが、これらに加え「子育てに対応した住宅へのリフォーム」が加わります。

  • 耐震
  • バリアフリー
  • 省エネ
  • 三世代同居
  • 長期優良住宅化

子育て対応リフォームとは、転落防止の手すり設置や可動式間仕切り壁の設置などを指します。リフォームを実施した場合の最大控除額は25万円です。

不動産売買時の税優遇は継続

不動産売買時には、決して安くない税金が課されます。しかし、現在はほとんどの税金が優遇されており、2024年度税制改正ではこれらの制度の延長が決まりました。

印紙税

不動産売買契約書は、印紙税が課される文書です。たとえば、6,000万円の不動産を売買した場合、契約書には6万円の印紙を貼付しなければなりません。

しかし、優遇措置により現在は半分の3万円でOK。この優遇措置は2024年3月末までとされていましたが、2027年3月31日まで延長されます。

不動産取得税

不動産取得税は、その名の通り不動産の取得に対して課される税金です。不動産のうち、土地の取得に係る課税標準額および税率は上記の通り軽減されます。同特例もまた2024年3月末までとされていましたが、2027年3月31日まで延長されます。

登録免許税

登記の種類 本則税率 軽減税率
所有権保存登記 0.4% 0.15%
所有権移転登記 2% 0.3%
抵当権抹消登記 0.4% 0.1%

登録免許税は、売買に伴う所有権の移転登記や住宅ローン完済に伴う抵当権抹消の登記に対して課される税金です。固定資産税評価額に乗じる本則税率と優遇税率は上記の通り。本特例も、2027年3月31日までの延長が決まっています。

手厚い税制優遇は不動産取引を活発にする

今回ご紹介した2024年度税制改正による改正点は、不動産を売る人にとっては直接的に関係ないものも含まれます。しかし、不動産売買に対する税制優遇は、不動産の需要を旺盛にし、取引を活発にするものです。

とくに、2024年から住宅ローンによる減税幅が引き下がることは懸念されていました。子育て世帯・若者夫婦世帯に限るとはいえ、23年の水準が維持されるというのは不動産を売る方にとっても朗報だといえるでしょう。

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